同じ犬でも・・・


ヤンキースタジアムのクソっ高いレジェンドシートチケットを取ってまで彼のプレーをN.Y.まで観に行ってから、もぅ6年近く経ったのね。
あの移籍は嬉しかった。
垣間見える彼の本音、彼の言葉の一つ一つを噛み締めて聞いたものだ。


あれほどマリナーズを悪く言って優勝デキるチームへと、高いモチベーションは保てるチームへと出たわりに、、、
結局、NYYでも他でも目標達成デキないまま戻ってゆくのか、、、
南部でも元チームメイトに追い払われる形で、、、結局、北部へ逆戻りか。。。。


そして6年後、彼は自分を犬と表現した。
自らを売れ残った犬だなどと、、、己への厳しさは半端無い。
流石だ。 まだ可能性を追い続けてる。


イヌだと伝えても認めずヒト並みを気取る愛北片田舎者とは正反対だ。


彼はN.Y.に溶け込めてはいなかった。
大歓声で登場する彼だったがレジェンドシートで囁かれる観客の声は冷ややかなものだった。
世界規模の大不況の中、レジェンド席で観戦するアジア人は僕ただ一人。
彼が出て来ると起こる周囲の批判と嘲笑に僕は肩身が狭かった。
意外だった。僕の拙い英語力でも分かるほど酷い言われようだった。
確かに好調とは言えない成績だった。
それでも日本ではヒーローのように紹介されていた。


厳しい批評を受けながらもヤンキースタジアムで堂々とプレイする彼はとてもカッコ良かった。
シアトルのままなら、スポーツ好きでは無い僕は足を運ばなかっただろうね。


日本へ戻ってから、彼はバッティングマシーンと呼ばれているが褒め言葉なのか?と皆で話し合ったコトもあった。
美容室経営をしていた当時の僕は超働き者で、、、日に50名以上を捌かなければならないほどの立場にあった僕がカッティングマシーンだなどと呼ばれたら、『俺ぁバリカンじゃねぇ!』と怒っていただろう。
しかし、愛北地方では美容師とゆうより人気トリマーをヤラされていたのは事実。現実。
利益を確定させお店をヤメだけなのにセセラ笑われ同情される始末。
活動の拠点を都市部へ移すと言うと、そんな偏狭へ?と愛知の場末民族は言い出すんだぜ?
やってられるか?


当時、彼もシアトルから浴びせられる声を悔しそうに語っていた。ペチャンコにされるわけにはいなかい、と。
しかしその後、僅か数年で彼はN.Y.を去る。石の上の3年も経たないうちに。
新天地、別天地からまた新天地。
その現地報道も酷い言われようだったのに、日本では綺麗にアレンジされていた。


昨年末、僕はDEEPexメンバーへ『来年は価値観の根っこが変わる年になる』と伝えた。
そして昨夜の古巣復帰発表。
そうゆうコトか。。。。。売れ残りは北部に買われるものなのね。。。片田舎女と同じ構図。。。。
会見での言葉を聴いて、改めて彼は凄いなと。 
残念なコトに、過去の言葉と矛盾があったが、、、、きっと変わったのだろう。
短い時間だったとはいえ、最高峰でのプレイは快楽だったに違いない。
お陰さまで僕も最高の席でのゲストを楽しむコトができた。
ニューヨークで尾張に誇りを感じました。


僕の興味はスポーツの成績ではなく人の哲学。
彼は変われたのか? 変われなかったのか?


変わりたかったからN.Y.へ行ったのでは?
変わりたく無かったからN.Y.へ行ったのでは?


東京での僕もその自問自答が続いてた。
それでも今年、世の価値観の根っこが変わる。
当時の僕は早すぎた。
あの7年前に僕が言っていた時代が到来する。証明されるよ。


僕も歳を喰ってね。
己への加算人生はヤメて、そろそろ削ぎ落としていかなきゃならない歳になったのかな? と。
DEEPの名に相応しい時空を目指してメンバーに接してきたけど、掲げた理想通りの大団円とはいきそうにない。 
残念なコトに、変えざるをえない年(歳)が来たようだ。 まさに戌年だ。
変わりたくないから変わるしかない。 また、その折り目節目が来たようだ。